のんびりLIFE

人見知りでマイペースな生活を過ごしています。
お仕事が休みの日はアウトドア、家庭菜園、インテリアなど好きな事をして過ごしています。

最期について思う事

今日、ある方のIC(インフォームドコンセント)に着きました。


乳癌手術後に皮膚転移し、皮膚移植までしたけど再発、抗ガン剤もしたけど効果なく転移が広がってきていて痛みも酷くなってきている。
新しい抗ガン剤を試すって言ってますが、効果的な治療ではない。
主治医は根っからの外科なんでしょうが、緩和の話も同時にしてほしい。
いざ、したい事が出来なくなってからでは遅いのです。
抗ガン剤の副作用で寝たきりになって、そのうち病状も進行して・・・。


ただ、その方には家族がおらず、友人といえる方もいません。
精神疾患がある為、話し方も変でコミュニケーションも困難です。
仕事もなく、生活保護です。
昔、足の骨折をしたようなのですが、治療をしたのかしないのか少し歩き方が変です。
一般の方からしたら斜視の目つきも怖いでしょう。
抗ガン剤をしたせいで髪の毛が抜けていて見た目も怖いです。一般の方なら見た目を気にして帽子を被られる方が多いですが、精神疾患もあるその方は気にしません。
話も難しい話になってくるとパニックになってしまうので会話がなかなか成り立たないのです。


ただ、精神科の方って相手をよく見ている所があります。
私はこの方の受け持ちを任命されました。正直言って、最初はうまくコミュニケーションがまず取れるのか心配でしたが、今では私に信頼を置いてくれるようになっています。


そして今日のICの後、言いづらい事を聞きました。
緩和治療について、また最期の時どうしたいか。
やはりパニックになり聞き出せませんでした。


でも、その後でまた病室に行った時、私の子供について聞いてきました。
学校に行けない今、あなたが仕事している間はどうしているの、と。
大部屋なので他の方とのお話の時に私の雑談も聞いているようです。子供が大好きなのだと言っていました。家の近所に小学生が歩いていると可愛くて声をかけるのだと。
私はふと想像しました。
きっと小学生の間では違う話ではないでしょうか。
怖い見た目のおばちゃんが声かけてくると。そしてまた、保護者の方も危険人物とマークしているかもしれません。


帰りながら、だんだん悲しくなってきてしまい、家に着いた途端に号泣。
旦那を始め家族がびっくり。
私にはこんな私でも心配してくれる家族がいる。
何て幸せなんでしょう。


その方の最期を想像してしまいました。
誰が側にいてくれるのか。
最期に会いたい人がいるのか。
その方の手を握ってくれるのか。


これほどにも社会的に立場の弱い方の死に泣いてくれる人はいるのか。
「津久井やまゆり園事件」を思い出しました。「障害者は不幸を作る事しかできません」と言ったそうです。家族にとってはかけがえの無い人物でした。


でも家族もいない方は誰が思ってあげられるんでしょう。
誰が今まで彼女を守ってあげてきたんでしょう。


その方には役所の方以外で面会に誰も来た事がありません。


夜、長女が布を切って何かを作っていました。
その人髪の毛が無いんでしょ。帽子を作ってあげたい、と。

お手紙を添えて渡してくれました。
面会にも行きたいと。


きっと喜んでくれると思います。
長女の優しさが、元気の源に少しでもなれますように。



長男が巣があるよと言っていました。
私には見えませんでしたが。

確かに巣のような塊が見えます。

消え去る命、新しく生まれる命、偏見持つことなく大事にしたいです。